「部活問題」を考える

「部活問題」「ブラック部活」を中心に、現役高校教師Kが学校現場の問題点を考えていくブログです。

私の部活動指導歴(4) 「指導ができない自分を自己嫌悪」

 素人である私に3年生が気を遣い後輩の面倒をよく見てくれたため、部は何とか新年度をスタートした。もちろん土日も早朝から日暮れまで練習。5月のゴールデンウィークも県外へ練習試合である。私が顧問なのだから中止しても良いのだろうが、過去ほぼ年中無休で部活に取り組んできた部員と保護者がそのようなことは許さない。5月末にはインターハイ予選があるのだ。3年生にとっては最後の試合だ。「休みたい」なんてことはとても言えなかった。

 ちなみに春休み以降7時出勤で帰宅時間は夜9時〜10時が続いていた。年度当初の様々な業務、三者面談などで夕方7時くらいまで拘束時間がある上に部活動の諸々もしなければいけなかった。初めての仕事ばかりでとにかく慣れなかった。洗濯物も溜まり、掃除も行き届かなく、家に帰るのも億劫であった。もちろん食事は店屋物で済ませるしかなかった。11時くらいに食事を終えると、持ち帰った仕事に取りかかった。日によるが、夜中の二時くらいまで教材研究や書類作りをやった。

 練習試合の旅費は顧問の自己負担である。世間一般の人の多くが誤解していると思うが、公立校では出張扱いになる公式戦以外はかかる経費は全て「自己負担」である。どこの都道府県も同じはずだ。(私立校の事情はよく知りません)

 気をつかった保護者会が「先生の旅費を保護者会から出しましょう」と言ってくださったのだがお断りした。お金を出したら口を出したくなるのが人情というもの。技術指導がほとんどできない私に不満が高まるのは時間の問題だったから、後々攻撃されそうな要素は作りたく無かった。

 自費で数万円を負担し、本来は休日であるはずの日に生徒の引率をする。自分用の必要機材やユニフォームなどももちろん自費で購入した。全国で何万人もの中高の先生方が行っていることだ。その競技が好きでやっているならまだ良いのだろうが、多くの学校で競技歴のない先生が顧問をさせられているのが現状だ。「若いからなんでもできるでしょ」と言われて顧問を押し付けられた先生は多いことだろう。「ほぼ全て自己負担で、本来の業務ではないスポーツ指導をしている」のが多くの部顧問の姿である。

 一生懸命やっている生徒たちのために我慢して付き合ったが、そんな素人監督のもと練習の質が落ちるのは必然で、その年のインターハイ予選では決勝で敗退した。泣きじゃくる3年生を見ながら申し訳なさでいっぱいになった。

 

 「俺に競技歴が無かったからだ」

 「俺のせいだ」

 

 ひたすらそう思い自己嫌悪に陥った。選手たちはもちろん保護者の顔もまともに見ることもできなかった。部員の顔を見るのが申し訳なくて怖かった。私は教科の教員免許を取り、教科を生徒に教えたくて教員になった。しかし次第に、部活動指導という専門外のことで教師としての自信をなくしていった