「部活問題」を考える

「部活問題」「ブラック部活」を中心に、現役高校教師Kが学校現場の問題点を考えていくブログです。

私の部活動競技歴(11) 「地区最下位からインターハイへ」

 4月になり、正式に顧問となった。

 猛練習を開始した。部員も大喜びだった。

 新入部員もたくさん入り、2チーム作って練習試合できるほどになった。

 

 私は競技歴が無いため、指導書やビデオなどを買い研究した

 今思えばトンチンカンな練習もさせたが、

そのような失敗を経てだんだんとチームは洗練されていった。

 

 初期メンバーは華々しい結果を出すことなく引退していったが、

 後輩たちへ大きな財産を残してくれた。

それが基になり、2年後は地区で1位を獲得。

そしてその翌年ついにインターハイへ出場した。

基礎能力の高い部員が多かったのも幸いした。

 

 今まで無名だった、というか大会に出場すらしていなかったチームが急に強くなったので、大会会場ではよく話しかけられた。

 

 「K先生はどこの高校で競技をしていたんですか?」

  

 これは、

『K先生はインターハイ出場経験があるんですか?』とほぼ同義だ。

 

熱心に部活動へ取り組んでいる先生の多くは、

自分自身が取り組んだスポーツをそのまま指導する。

 

 

 競技経験はないことを言うと、100%次のような反応が返ってくる。

 

 「ああ、じゃあ誰か外部監督がいらっしゃるんですね。」

 「いえ、私が指導しているんです。」

 「・・・?」

 

 競技経験がない人がこんなに優秀な選手を育成できるはずがない、

そんな先入観が皆さんの顔によく表れていた。

最初はカチンときていたが、次第に面白くなってきた。

 

 競技素人の監督が率いる地方校のチームが2年ほどで常勝チームとなったのだ。

周囲の「競技歴のある」監督さんたちはさぞ不思議で、悔しかったに違いない。

 

競技経験のない私は「今までセオリーとされていたもの」に

とらわれることがなかった。

 

他の監督の指導風景を見ていると

「なんて非効率な練習だ」と思うことが多かった。

私のチームはそのような「業界の盲点」を突くことで

結果を出せたのだろうと思っている。

 

 学校でも、体育教員の部活動よりも良い結果を出すので、

よくやっかみ半分にからかわれたが全く気にならなかった。

 

 「悔しければあんたもインターハイに行かせてみろ」

 

 と思っていたからだ。

 

 この頃は授業以外の時間はほぼ全て、

部活動のことばかり考えていた。

 

 練習方法の研究、練習計画、遠征計画、備品や部費の管理、

試合申し込みの事務業務・・・

 

 生活の全てが部活動を軸に回っていた。

 

 練習が終わって9時に帰宅しても苦じゃなかった。

 

  土日は丸々練習指導に費やした。

 

  毎日ノートに練習記録などを綴った。

 

 新しい練習方法を考えるのが楽しくて

夜中まで部活動のことを考えていた。

 

 たっぷり練習できる土日が待ち遠しいくらいだった。

 

 面白かったし、やりがいもあった。充実していた。

 

 部員との心のつながりも私を支えてくれた。

 

 この学校に赴任していた6年間で

 教科系部活動で全国大会に2回、

   運動部で2回インターハイへ出場した。

 

 もう一つ自慢を付け加えると、この後、女子部の監督が異動して

 私が実質的に女子部も指導した。この女子部も県ベスト8に2年間入り続けた。

 

  一つの学校で同時にそんなことを成し遂げた人は私の身近にはいない。

 

 私は大いに教育者・指導者としての自信を得た。

 

 「俺には指導力がある。」

 

 そう思えたことは心の糧となって、

 その後の生き方にも影響を与えてくれた。

 今の私があるのはこの頃の経験があるからだ。

 優秀な部員に恵まれたおかげで良い経験をさせてもらえた。

 彼らとは10年経った今でも交流がある。

 

   

 

 ここまで読んでいただければ、

 きっと模範的な熱血先生のように思ってもらえて、

 「熱意があれば未経験の部活動でも指導ができる。」

 「やはり部活動拒否はわがままだ。」

 「競技経験が無いのであれば研究・学習すれば良い。」

 という意見を持たれる方も多いのではないか。

 

 私はこの経験を人生における宝だと思っているし、

 私を「教師」にしてくれた教え子たちに心から感謝している。

  あの頃に戻れるのなら必ずもう一度同じことをやる。

 

 しかし、私のこの自慢の経歴には隠れた欠点もある

 

 それもまた事実だ。私はその事実から目をそらしたくはない。

 だからこのブログを立ち上げた。

 

 それこそが「活動問題」そのものである。

 

 私がこれから訴え続けたいポイントだ。

 

 私の経験の良いところ、

 悪いところをしっかり踏まえて、

 

 「部活動」が教育現場に及ぼしている悪影響

  について考えていきたい。