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「部活問題」を考える

「部活問題」「ブラック部活」を中心に、現役高校教師Kが学校現場の問題点を考えていくブログです。

部活動の問題点その1 「授業の質の低下①」〜教員の時間不足〜

 私はこの学校で部活動指導にハマった。

 教員人生をかけて全国大会制覇を目指そうとまで思った。

 

 しかし、次の学校への転勤希望は強豪校への赴任を希望したが

 そのへんは考慮されずその種目の部活動が無い学校へ赴任した。

 

 チームの立ち上げを画策したが部員が集まらず

 結局ここ10年ほどは運動部の指導をしていない。

 この期間の顧問歴は別に紹介するとして、

 この10年間はいい冷却期間となった。

 

 また、教員として大きく色々な経験をしたため

 部活動への認識が大きく変わった。

 

 部活動の問題点が見えてきたのだ。

 

最も大きくて深刻だと思っていることを

一番最初に話題にしたい。

 

それは「授業の質の低下」だ。

もしくは「授業の質が向上しない」が起こる。

 

授業の質の低下が引き起こされる理由は幾つかあるが

その一つ目が時間不足である。

 

誰でも分かる単純な引き算である。

 

人には平等に1日24時間が与えられている。

 

毎日1〜3時間部活動の指導を行えば

その分、教科指導の準備を行う時間がなくなる。

 

「え?先生なんでしょ?知識は頭に入っているでしょ?授業の準備なんて何するの?」

と思う方も多いらしい。

 

何事も人にものを教えるには準備がいる

ただ単に教科書に書いてあることを言うだけなら教師はいらない。

(まあ、そんな先生は実際多いが)

 

目の前の生徒の学力、実態に合わせて

理解しやすく学習活動を計画し、実行することが必要である。

 ・前回の授業までの流れをどう踏まえるか。

 ・今後の単元にどうつなげるか。

 ・どのような発問が有効だろうか。

 ・板書はどのようにすればわかりやすいだろうか。

 ・理解を深めるためのプリントを作らねば!

 ・宿題はどのように指示しよう・・・

 ・生徒のノートを添削せねば。1クラス40名だから全部で160冊か・・・。

 

思いつくことはまだまだあるがキリがないのでここら辺で止めておく。

「大学で『授業の仕方』を習うのでは?」と思う方も多いようだが

大学で授業の仕方ノウハウを伝授されて教壇に立つわけではない。

もっと大きな視点での教育事情を学び、教科の内容を詳しく掘り下げて学ぶのみだ。

 

学校と生徒は千差万別だから

画一的なマニュアルで指導はできない。

義務教育の小中学校でも学校によって、うまく行く手法・行かない手法が違う。

何より生徒集団は一人一人個性豊かな人間の集まりだ。

同じ学校でもクラスによって性格が変わる。

学校と生徒の実態に合わせて、現場で創意工夫していく必要がある

 

その創意工夫にどれだけ労力をかけたかで業の質は決まる。

もちろん各先生の才能も大事ではあろうが、

それを支えるのは「授業の準備」である。

授業名人と言われる人は全て、

この授業の準備に時間をかけている。

 

人間国宝」とか「スポーツ選手」も

準備や練習なしで作品づくりや競技には臨まない。

良い仕事をするには良い準備が必要だ。

野球のイチロー選手は誰よりも早く球場に入って

体を仕上げて試合に臨むと聞く。

車のセールスマンなら、自社の車の性能、特徴、オプションなどを熟知し、

客のタイプに合わせてセールストークを展開するだろう。

教師もまた同じである。

 

授業における学習効果のかなりの部分が

教師の準備で決まる。

生徒がその教科を、そして学習そのものを好きになれるかどうかも

授業の質が決める部分が大きい。

 

しかし、朝練や夕方の練習はもちろん

昼間も部活関係の事務仕事や部員への指導・指示などで

時間をとられる。

 

その分、教科指導や学級での指導の時間は取れないことになる。

繰り返すが単純な引き算である。

 

学校と先生は部活動指導にかなりの時間と労力をとられている。

 

私が競技未経験のまま素人監督をしていた時も、

インターハイ出場を目指していた時も

教科指導の工夫なんてしていなかった。

 

教科指導や学級経営に割く十分な時間はなかった。

部活動では結果を出し偉そうな顔をしていたが

教科指導で生徒の学力は伸ばせなかった。

教科指導力は向上できなかった。

 

教師の本分とは何なのか?

そんな当たり前のことを改めて考えさせられる現状である。