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「部活問題」を考える

「部活問題」「ブラック部活」を中心に、現役高校教師Kが学校現場の問題点を考えていくブログです。

部活動への熱狂が引き起こす「授業レベルの低下」

私が勤務する高校も昨日から夏休みに入った。

学期末は忙しかったが他の先生(同じ教科内外を問わず)

の授業を見に行った。

 

まあ、呆れるくらい

どの先生も生徒を「寝させている」

教科を教えるプロでありながらあれだけ生徒を「寝させて」

平気な神経が私には分からない。

何人かの生徒は1時間目から6時間目まで

ほぼ全ての授業で寝ている。

 

しかし、無理もないのだ。

本校の生徒の大多数は連日30度を超える猛暑の中

毎日朝練1時間、放課後の練習2〜3時間、

土日は4時間〜1日練習しているのだ。

 

いくら若いとはいえ、

休みなく部活動に取り組めば

疲れが取れるはずもない。

 

Jリーグの選手でも

1日3〜4時間しか競技の練習はしないという。

 

それ以上やれば「体が壊れる」だろう。

それをまだ体が発達途上の中高生が

日が暮れるのが遅い夏場は

「朝練+放課後練」で

1日3〜4時間スポーツをしている。

常軌を逸したスポーツ熱だと思う。

 

寝させている教師の方も問題だ。

校務や事務処理、各種会議に時間がかかる上に

部活動の指導で長時間拘束される。

 

教材研究(授業の準備)

をする時間がないのだ。

皆、教科書を噛み砕いて説明するだけだ。

50分間解説をするだけである。

若手は特に重たい部活動を押し付けられがちだから

授業の工夫、授業研究などに取り組む余裕がない。

 

そんな若手の授業の観察をしたが、

いずれも見ているだけで苦痛になるような授業ばかり

であった。

本校は最近流行りの

「アクティブラーニング」の研究指定を

受けている「文武両道の進学校」なのだが

各教科の授業の中身はお寒い限りだ。

 

偉そうに言っているが、

私の授業では生徒は寝ない。

寝させない工夫をしている。

そのために授業研究を欠かさない。

土日の研修会にも自費で参加するなど指導力の向上に努めている。

生徒の学力が向上し、学習が好きだと言ってくれることに

充実感を感じている。

ありがたいことに

最近は他県から実践発表のために

呼ばれることも増えてきた。

 

研修会などに若手も誘うのだが

大抵断られる。

「部活動があるので・・・」

が主な理由だ。

(嘘か本当かは置いといて・・・)

 

実は私も部活動は担当している。

誰も顧問をやりたがらない教科系部活動に自ら顧問となった。

文化部だが、決して指導の手は抜いていない。

その証拠に今年広島で行われる

総合文化祭に部員が出場する。

 

総文祭に出場できるレベルを目指した指導を行いながら

適切に休みも設定している。

学習に取り組む時間をきちんと与えてあるから

部員たちは各教科でも成績優秀である。

私自身も主な業務である

教科指導にもきちんと時間を割くことができるよう

練習計画と指導計画を立てているから

私の負担感も少ない。

 

だが、私のような先生は少数派である。

本校では

大多数の顧問と部員が

「部活動(スポーツ)最優先主義」

である。

 

あえて皮肉な言い方をすれば

かなりの数の生徒が

「授業中に部活のための体力を蓄えて」

かなりの数の先生が

「部活動の合間に授業もやる」

という現状である。

 

だからアクティブラーニングとは程遠い

レベルの低い授業が延々と展開されているのだ。

 

「文武両道」と言いながら

実際は「武の道一本」のみである。

 

 部活動そのものが悪いとは思わない。

しかし、部活動への過度な依存が

生徒にも教師にも「悪影響」を及ぼしてしまっている現状があるのは

まぎれもない事実である。