「部活問題」を考える

「部活問題」「ブラック部活」を中心に、現役高校教師Kが学校現場の問題点を考えていくブログです。

熱中症で生徒が緊急搬送!でも部活は続く・・・

今年の夏も連日30度を超える猛暑だ。

環境省などのHPを見れば、私のいる地域も

熱中症予報が連日「厳重警戒」or「危険」を示している。

 

環境省によれば「厳重警戒」は

熱中症の危険性が高いので、

激しい運動や持久走など

体温が上昇しやすい運動は避ける。

運動する場合には、頻繁に休息をとり水分・塩分の補給を行う。」

 

ちなみに「危険」

「特別の場合以外は運動を中止する。

 特に子どもの場合は中止すべき。」

とある。

 

もはや日本の夏の暑さは

生徒に運動させてはいけないレベル

ではないのか。

 屋内にいる人ですら熱中症になる危険性がある気温だ。

 

 夏休みに入って、待ってましたとばかりにどの部活も

 連日グラウンドと体育館で長時間練習をしている(させている)。

 とある部は朝から日没まで練習している。

 私が以前インターハイ部を顧問していた時でも

 夏場は3時間程度しか練習させなかった。

 危険だからだ。

 それでもいつ熱中症で部員が倒れるか気が気でなかった。

 

 こんなに暑いのにあんなに練習して危ないなあ、

 と思っていたら、ついに現任校でも

 先日熱中症で部活練習中に生徒が倒れ

 救急車で緊急搬送された。幸い命に別状はなかった。

 

 翌日の職員朝礼で管理職から状況が報告された。

 そして最後に

 「え〜、各部活動の顧問の先生方、

  熱中症対策に十分注意するよう

  生徒への指示をお願いします。」

 歯切れが悪そうに教頭が言った。

 

 え?それだけ!?

生徒が救急車で搬送されるほどの

暑さなのに部活動を一斉中止しない!?

 

 1年で平均500人ほどの人が熱中症により命を落としているのだ。

 若くて体力があるとはいえ、

 生徒が熱中症で死ぬ可能性は十分にある。

 

 なぜ夏の間だけでも、

 部活を中止できないのか?

 何に遠慮をしているのだろう?

 練習時間の確保よりも

 安全性の確保が優先されるべきではないか?

 

 日頃からある意味首尾一貫して

「部活動最優先主義」を貫いているから 

部活を中止するという発想すらない。

生徒の安全よりも部活動をする方が大事らしい・・・。

  

 練習しないと他校に負ける。

 練習しないとサボっているように見られる。

 部活動をしないと生徒がダラける。

 生徒や保護者が納得しない。

 

 こんなことを教師は本能的に感じてしまう。

学校は何でも「横並び」が大好きだから

自分のチームだけ、自分の学校だけ中止なんてできない。

 自分のとこだけ練習をやめたら他のチームに負けてしまう。

 「あそこが2時間ならうちは3時間だ」

 「いやうちは4時間練習するぞ」

 「うちは1日やって差をつけるぞ」

部活動に蔓延する勝利至上主義が、

事態をどんどんエスカレートさせる。

ほとんどチキンレースである。

誰も部活動を止められない。

 

 日頃から、教師も生徒も

 勉強よりも部活動を優先させているからだ。

 全てが部活動を中心に回り始める。

 行き着くところは「生徒の安全よりも部活動が優先」である。

 そのように意図していなくても、

 生徒が倒れた翌日も平然と部活動をさせているのだから同じことだ。

 悲しいことに、毎年どこかで部活動の事故で亡くなっている生徒がいるのに

 「気をつけるよう注意を促してください。」という

 極めてあやふやな指示のみで、今日も部活が行われる。

 

「死んでも銃は手放さないぞ」と叫んだ人もいるが

f:id:kskstan:20160803212403j:plain

 日本の学校「生徒が倒れても部活は中止しないぞ」という状況だ。

 

 夏休みに入り、

 汗だくだくで部活のために登校した生徒に話しかけたら

 「暑すぎて部活が辛いです」

 「1日部活したら1日休みが欲しい」と口々に言っていた。

 

 その競技が好きで、

 自らの意思で入部した生徒たち自身すら

 「やりたくない」と思うような練習を課して、

 誰が得をするのか?

    誰の、何のための部活動なのだろう?

 

生徒も教師も休めない。

誰も止めることができない。

それが部活動の現状である。