「部活問題」を考える

「部活問題」「ブラック部活」を中心に、現役高校教師Kが学校現場の問題点を考えていくブログです。

教師は長時間労働するほど熱心で優秀、と評価されがち

明けましておめでとうございます。

今年も部活動をはじめとして、学校現場の悪習を直すため

現状を訴え、改善策を探っていく所存です。

 

年末にわが職場も忘年会が開かれた。

忘年会が7時から開始と言っても7時に始まることはない。みんな平気で遅れてくる。

 

仕事が多いせいもあるが、

仕事があるから遅れても許される、と皆が皆当然のように思っているからだ。

生徒には厳しく遅刻指導をしているのにね。

 

まあそれはいいとして(社会通念上は良くないと思うが)

宴もたけなわとなり、程よく酔いが回ってきた

学校長が私のいるテーブルにやってきた。

 

私は別に管理職を敵視はしていないので

大人として、部下として普通に接した。

 

学校長は私が授業改善に熱心なことに触れて

自分も教諭時代は熱心に授業準備に取り組んだことを語り出した。

「私がK高校(その地区ではトップ進学校)に勤務していた頃は部活動が終わった後、夕食を職員室で取りながら授業の準備をして日付が変わるまで頑張ったもんだよ。」

 

出た出た!深夜まで仕事した自慢!

先日も投稿した民間コンサルタントの方もそうだが

深夜まで頑張ることは日本のサラリーマンにとって

とても尊いことのようだ。

学校長は続ける。

 

「まあ、今風に言ったらブラックなんだろうねえ。そこまでやれとは言わないけどさ、授業準備は大事だよ。」

 

授業準備は大事であることは大いに同意する。

しかし、校長の言葉の端々に

「学校の先生たるもの長時間労働するのが偉い」

という信念がにじみ出ているのが気になる。

そもそも「ブラック」だと自覚しているのに何も対策を取ろうとせず自己弁護しようとしている時点で管理職失格である。

 

事務仕事や会議、部活動などで

授業の準備をする時間が取れないと

勤務実態アンケートで職員が訴えて、下からの突き上げが激しくなっており

多少なりともプレッシャーを感じておられるのだろう。

(あなたの管理能力が問われてるんですよ)と言いたかったが・・・黙っておいた。

 

校長の真意は

「教員なら多忙は当たり前だ。俺が若い頃は深夜まで仕事していたんだ。甘いことを言うな。」

という気持ちなのだろう。

でなければ、わざわざ「ブラック」なんて言葉を用いて

「そこまでやれとは言わないけどさ」と

弁解じみた言葉は言わないだろう。

 

組織のトップがこのように

「滅私奉公して長時間仕事している先生は尊い」

と考えるから、仕事が減らないのだ。

管理職は自分の実績作りのために

いろいろと新提案をするものだ。

その中に「仕事を減らす」が入ることはまずない。

新しい取り組みばかりが増えて、

古い取り組みを減らすことがない。

今までやってきた仕事を減らす、ことに罪悪感すら感じるのだろう。

だから仕事が増え続ける。

そしてその仕事の大半が「授業」にはほぼ関係がない

ものばかりであるのが、最大の学校現場のガンである。

 

「俺が若い頃は深夜までやっていた。それが当たり前。」

そのようにして出世した人は、次の世代にもそれを求めがちだ。

 

校長の話を聞いていた私の頭には次の記事が浮かんでいた。

www.fujixerox.co.jp

 

17時間起き続けたら脳の動きは

酩酊状態と変わらないらしい。

ちなみにこれは厚生労働省も数年前に訴えている。

睡眠対策 |厚生労働省

 

「正誤表」で訂正されているが、

アメリカの睡眠学会によれば

15時間起きていれば飲酒運転と同程度の作業効率らしい。

「深夜まで頑張っていた俺すげえだろ」

凄くなさがよく分かる科学的根拠だ。

 

竹槍で本土決戦の訓練をしていた、くらいの

見当違いな精神論を感じてしまうのは私だけだろうか。

 

「遅くまで頑張る先生は熱心で優秀」という考え方はもうやめませんか?

 

9時過ぎて働いている人は「酩酊状態」程度のパフォーマンスしか発揮してない可能性が高いですよ。

 

ということで、私は

「深夜まで頑張ってすごい系」の話はすべて

「ほぼ酔っ払い状態で仕事していてある意味すごい」

読み替えることにしています。