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「部活問題」を考える

「部活問題」「ブラック部活」を中心に、現役高校教師Kが学校現場の問題点を考えていくブログです。

「望まぬ部顧問就任」から身を守る方法の提案

数年前新しい学校(つまり今の勤務校)に転勤した時のこと。

 

新しい勤務校のHPを見ると

やはり書いてある。

 

「文武両道を目指した教育を・・・(以下略)」

 

どうやら新任地も「部活動大好き学校」のようだ。

(そうでない学校の方が希少だが)

これは厳しい戦いになることが予想された。

 

赴任先の学校に挨拶の電話をした。

電話と同時に新しい校務分掌の打診を受けることになっていた。

以前も書いたが、不本意な部顧問就任をしないために

ここはきちんと明確に意思表示をしなければいけない場面である。

数年の人生を左右しかねない大事な交渉だ。

 

 私「初めましてこの度お世話になるKと申します。

教頭「初めましてK先生!この度は(以下略)

   ところで先生、部顧問の希望とかありますか?」

 

やはり来た!

「顧問をしない」という選択肢は存在しない。

本の学校と教育を正すにはまだまだ時間がかかりそうだ。

 

とはいえ、個人レベルでは自分と家族を守らねばならない。

教頭も顧問の割り振りが大変だろうから

「誠意を持って」&「はっきり」と要望を伝えた。

 

私「〜部(教科系部活動)を希望します。

  全国大会へ2回生徒を導いた経験もあります。 

  また、△△部(文化部)でもここ2年総文祭に

  出場させています。             

  他には、私自身に競技経験はありませんが

  〜部(運動部)の顧問をしたこともあります。 

  しかし、子供が小さいこともあり、

  土日は部活に張り付いて指導することはできません。

  公式試合の引率などの業務ならもちろんやりますが。」

 

いずれも嘘ではない。

「部顧問の希望を」とのことだったので

指導をすることが可能で、なおかつ上位大会進出の実績を

踏まえて希望を伝えた。

 

「出来る事と出来ない事」をはっきりと伝える事が大事である。

生徒引率で出張命令が出るならもちろん引率するが(「仕事」だから)

毎週毎週、休日出勤しては私の家庭が壊れる。

 

教頭(落胆して)そうですか・・・」

 

我ながら良い返答だったと思う。

教頭は「運動部を希望します!土日もガンガン指導します!」

というような答えを期待していたのであろう。

教頭の立場も分かるが、

私は労働者としてごく当たり前の主張をしただけだ。

無休&無給での労働を強制されるいわれはない。

休日には、私にも学校外でするべきことが多くある。

若い時とは異なり、家庭の都合で土日返上の部活動指導は(ほぼ)できない。

 

部顧問をしないとは言ったわけではない。

(言ってはみたいが・・・)

教科系部活動で全国大会に出場させた経験まできちんとお伝えした。

 

いざ赴任してみると、

希望した教科系部活動に名前が書いてあった。

私はきちんと「自主的な活動」の範囲で指導を行う。

もちろん大会前でなければ土日の部活はしない。

放課後も時間を決めて短時間で終わらせる。

これが正しい部活のあり方だと私は思っている。

 

我が部は各種大会に出場し始め、

2年目からは総文祭にも出場している。

 インターハイ同様こちらも全国大会には違いない。

管理職始め外部からも評価されるようになってきた。

私以外は誰もやりたがらないレベルの高い活動内容だ。

 

そんなある日、先輩教諭に言われた。

「K先生が来る(赴任)時に『どんな先生なのか』と教頭と話をしたら

 『教科指導は熱心だけど、部活はあまり熱心じゃないらしい』と聞いた。でもとても熱心に指導して、全国大会なんてすごいですね。」

 

お言葉はありがたく頂戴したが、

 「土日の部活動指導をしない」=「熱心ではない先生」という管理職とベテラン教師の思い込みがにじみ出ているのが気になる。

 

そんなことだから若手教師が、部活動こそ仕事と思い込み授業の工夫をしなくなり、そのままベテランとなってしまうのだ。日本の教育は部活動を中心とした悪循環に陥っている。

 

「運動部大好き教員&管理職」にとっては

教科指導よりも部活動指導の方が大事なのだ。「学力が・・・」とか「大学合格が・・・」などと言いながら結局は「部活動最優先」である。「文武両道だ!」と生徒に訴えている教師と学校の多くが学習と部活動の両立を図れていない。皮肉と言わずして何と言おう。

 

さて、以上のことから私が得た教訓を紹介したい。

 

土日にボランティア指導をするのが不可能なら

きちんと意思表示しましょう。

「土日の部活動指導は出来ない」とはっきり伝えましょう。

新任者でもなければ、紙で希望を提出する学校が多いはずですから

きちんと文字で「土日の指導はできない」と残しておきましょう。

 

何かがあった時に「土日はできない、って言いましたよね?書きましたよね?」

と管理職に言うことができます。証拠として紙に書いておくのが一番です。

コピーまで取っておけば尚良し。

どれほどの効果や威力があるか分からないけど

我慢して黙って引き受けるよりはよほどいいです。

「引き受けた以上お前の責任だ」と言われかねませんから。

「私はできないと言ったのに管理職が無理やり押し付けた」形にするのが良いです。

 

強制されるいわれのない「本務以外のボランティア」を

部下に強制しようとしていることを管理職に自覚させましょう。

管理職に、より大きな「任命権者としての責任」がのしかかるように

立ち回るべきです。

 

そんな部下が増えれば、管理職は真剣に

部顧問制度について考えてくれるようになるかもしれません。

校内で仲間を増やしたいところです。

 

その上で、自分がイニシアチブをとって

生徒にとっても自分にとっても無理なく

取り組める部活動運営を行いましょう。

きちんと指導に取り組んでいることを

認識してもらえたら次の年から

「Kさんは〜部の指導を頑張っている」と

認識してもらえ、不本意な部活動顧問への就任を強いてくる

可能性が低くなるはずです。

 

私は「部活動」システムは一刻も早く廃止すべきと考えますが

残念ながら「部活動指導をすることは当たり前」

という現場と一般社会からの圧力は一朝一夕には無くなりません。

であるなら、自分と自分の家族を守るため、

そして自分が教科を教えている生徒の学力保証を考える時間を確保するため、

個人レベルでできることからやっていきましょう。

 

もうすぐ来年度の校内人事が動き出す頃でしょう。

きちんと自分の意思を主張していきましょう。

そして私とともに「部活動」廃止のために大きく声を上げていきませんか?