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「部活問題」を考える

「部活問題」「ブラック部活」を中心に、現役高校教師Kが学校現場の問題点を考えていくブログです。

部活問題に関して学習指導要領に全力でツッコミを入れ・・・たらとても良いことに気づいた!

実は学校現場で「学習指導要領」という言葉

を聞くことは日常的には全くない。

せいぜい、初任研とか研修の時に

「持ってきてね」と言われるくらいだろう。

自分の教科に関するところならともかく、

「総則」を知っている教員に出会ったことはない。

 

しかし、学習指導要領は昭和58年以降

法的拘束力を持つものになっており、

我々教師は必ず従う義務がある。

 

部活動が学習指導要領でどのように規定されているか

気になって久しぶりにきちんと総則から読んでみた。

 

 

第1章 総則 第4 2

(13) 生徒の自主的,自発的な参加により行われる部活動については,スポーツや文化及び科学等に親しませ,学習意欲の向上や責任感,連帯感の涵養等に資するものであり,学校教育の一環として,教育課程との関連が図られるよう留意すること。その際,地域や学校の実態に応じ,地域の人々の協力,社会教育施設や社会教育関係団体等の各種団体との連携などの運営上の工夫を行うようにすること。

 

 

  さて、これを踏まえて日本全国の多くの学校で、

  行われている学習指導要領違反の部活動運営実態を

  訴えてみたい。

  

  

 生徒の自主的,自発的な参加

  →生徒に参加を強制している学校、自治体多数。

   部活動加入率などと数値目標にして参加を推奨している学校、自治体多数。

   やめたくてもやめさせてくれない、

   参加したくないのに教師から参加を迫られて

   しぶしぶ参加する事例も多数。

   間違いなく学習指導要領に違反している。

 

 スポーツや文化及び科学等に親しませ

  →「親しませる」レベルを逸脱した事例多数。

   プロレベルの練習時間を課して、肉体と精神を酷使している例多数。

   の割には、専門的にスポーツ指導を学んだ人はごく少数で、

   全く未経験の教員に顧問をさせたり、

   自分の経験と勘のみで指導をしている教員が大多数。

   しかもスポーツのみを「部活動」と捉える管理職もいる。

   「文化や科学」よりも「スポーツ」ばかりに熱中している学校ばかり。

 

 学習意欲の向上

  →全く無視されている。

   「勉強よりも部活動せよ」と公言してはばからない教員多数。

   部活動で心身ともに「疲れさせ」て、

   学習する意欲も元気も時間も奪っているのが部活動の実態。

   「部活動を通じて学習意欲の向上をする必要がある」という

    発想を持つ教員はほとんどいないだろう。

    少なくとも私は会ったことがない。

   

 

  ただし、「赤点取ると試合には出られない」という縛りがある学校もあるので「学習意欲」は上がっているという見方もあるかもしれない。生徒が自主的に参加しているはずの部活動を盾にとって、勉強をさせるのは教育のプロとして邪道な方法であると私は思うが。まあ、そんな教員にとっての仕事は部活が主にされている現状だから、学習の動機付けは邪道な方法でもいいのか!うん。

 

責任感,連帯感の涵養等に資するもの

 →これは成功していると思われる。

  あくまで「チーム内」限定で、

  何も考えずに集団のために自分を殺して、

  顧問に服従し、チームに尽くす。

  という連帯感や責任感が教育にふさわしいかは

  甚だ疑問だが。

  グローバル人材を、発想の柔軟な人材を、

  などと言いながら、校内のしかも狭いグループ内に

  閉じ込めて3年間を送らせるという

  相反する教育が堂々と行われているのは

  自己矛盾と言えるだろう。

 

学校教育の一環

 →国語辞典で調べると「一環」とは「互いにつながりをもつ多くの事柄の中の一つ。」

 と書いてある。

 

 いやいや、

 多くの学校で部活動が「最大の教育目標かつ教育手段」になっていますから!

 学習や生徒の私生活は2の次にして

 「部活動のための学校」になっている現状です。

 「一環」なんて小さなもんじゃない。

 「学校は部活動を中心に回っている」のが現状です。

 「学校は部活をしに行くところ」と生徒に思わせている学校多数です。

 

教育課程との関連が図られるよう留意すること

 →こんなこと考えている管理職や教員はいません。

  断言できます。いません。みんな無視してます。

  そもそも、部活大好き教員と部活押し付け管理職の何人が

  「教育課程」という言葉を正しく説明できるだろうか?  

 

 

その際,地域や学校の実態に応じ,地域の人々の協力,社会教育施設や社会教育関係団体等の各種団体との連携などの運営上の工夫を行うようにすること。

 →指導できる人や、適切な場所がなければ

  学校の近場で探しなさい、ということと理解したが・・・

 

  練習場を確保するのはともかくとして、

  「地域の人々の協力」なんて非現実的すぎる。

  外部指導者を頼むのにどれだけの労力と事務仕事が必要になることか。

  しかも管理職は絶対に「うん」と言わない。

  生徒の安全管理上、懸念が付きまとうからだ。

  何かあった時に誰が責任取るの?

  何かあった時に噴出する膨大な事務仕事は誰がやるの?

  そう簡単に「地域の人々の協力」なんて頼めない。

  外部指導者と学校との橋渡しは誰がやるの?

  やっぱり教員でしょ?

 

  だから結局、学校の教員が強制的に 

  部活動指導・運営をさせられることになるのだ。

  「運営上の工夫を行うようにすること」という工夫をしている

  学校なんて皆無である。

   *昨今よく聞く「部活動指導員」制度についてはまた別に機会にツッコミたい*

 

 ということで、私の知る限り

     多くの学校が、

 学習指導要領を大きく逸脱した

 部活動運営を行っている。

 

 学習指導要領を逸脱するなんて重大な問題である。

 すぐに文科省から厳重な指導が行われるべきである。

 

 今日も私の学校では法令遵守、説明責任、不祥事防止

 というキーワードを管理職(とその上の教委)が連呼しているが、

 部活動運営が学習指導要領を大きく逸脱していること

 は無視を決め込んでいる。

 文科省はそのような自治体や管理職を厳しく指導するべきである。

 

 部活問題に関心のある皆さん。学習指導要領には何一つ「部顧問強制」なんて書かれていません。そんなこと文科省は求めていません。「部顧問を強制してくる管理職・教員」は暴走しているのです。彼らは「学習指導要領に違反」しています。ついでに「労基法違反」の可能性もあります。

 

 入部を強制されて悩んでいる生徒・保護者の皆さん、部活動は「自主的・自発的な参加」なのです。全ての学校が守るべき学習指導要領は一言も「生徒は部活動に全員加入」なんて謳っていません。皆さんに「全員加入」を求める学校や自治体は「法的拘束力を有するはずの学習指導要領に違反」しています。勇気を持って「学習指導要領には全員加入と書いてありますか?」と言いましょう。

 

 学習指導要領には「親しませ」と書かれてはいますが、「勝利至上主義」「長時間の拘束をせよ」とは書かれていません。「親しむ」レベルで運営しても何の問題もありません。むしろそうでなければなりません。

 

 「学習意欲の向上に資する」ように部の運営をする必要があります。「部活で疲れて勉強する気になれない」なんて生徒に言われるほど部活で生徒を追い込むことは「学習指導要領に違反」します。短時間で、適切に休養日を設定して運営しなければいけません。

  

 部活だけ頑張る教員人生は許されません。部活が中心の教員人生も許されません。部活動はあくまで「学校教育の一環」です。教科指導、学級経営、校務分掌もしっかりやって初めて「部活も頑張ってる」と胸を張って言えるのです。部活だけ頑張る教員は「学習指導要領に違反」しています。

 

 

 ここまで書いてみて、

 「学習指導要領に全力でツッコミ」を入れるつもりだったのに、

 

 「学習指導要領に全力で従えば適切に部活動運営できる」

 という結論に至ってしまいました。

 

 部活動問題、ブラック部活と戦うみなさん。

 学習指導要領は私たちの味方です。

 大いに遵守して部活動の適切な運営を目指しましょう!