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「部活問題」を考える

「部活問題」「ブラック部活」を中心に、現役高校教師Kが学校現場の問題点を考えていくブログです。

日本人のクレイジー過ぎるほどの「スポーツ好き」が部活問題に拍車をかける

日本人は無類のスポーツ好きである。

数少ない海外経験から判断しても

日本人ほどスポーツが好きな民族は

そうはいないのではなかろうか。

 

私は地方に住んでいて、

かなり昔気質な人たちに囲まれているが、

私の子供が生まれた頃、よく近所の方から

「お子さんには何の部活(スポーツ)をさせるんですか?」

と聞かれた。

飲み会の席などではそのまま放っておくと

「(自分がコーチをしている)少年野球をやるべきだ!」

「(自分がコーチをしている)イヤイヤ!バスケだよ!」

と早くも争奪戦が始まる。

 

まあ、挨拶や話題の一つであるし

相手に悪気があるわけでもないから

私も大人らしく対応はしたが、それにしても

まだ目も開いていない赤ちゃんの頃から

将来何のスポーツをさせるのか、

を嬉々として話題にする人たちには正直驚く。

 

スポーツ以外にも人生において楽しいことや

やるべきことはいくらでもあると私は思っている。

子供が選べば良いのだ。

スポーツはその選択肢の一つでしかない。

 

さて、そんな大人たちを見ていて思ったのだが

日本人には「異常なほどにスポーツ好き」が多い。

 

しかし「スポーツが好き」と言う特に大人の多くは

「スポーツをするのが好き」なのではなく

「スポーツを見るのが好き」なのである。

昔はスポーツをやっていたかもしれないが、

歳をとり、体力もなくなり、仕事で時間もなくなる。

年に1・2回くらいは町内会のスポーツ大会に出るが、

「スポーツが好き」な大人で、

日常的に自身がスポーツに取り組む人は案外少ない。

 

例えば、オリンピックやW杯など、

自分がやったことない、特に思い入れがない競技でも

多くの人が応援する。

 

みなさんの周囲でも、野球の話で盛り上がる人たちが多いだろうが

果たしてその中の何人が今でも自分で野球をやっているだろうか?

 

このような「他人がやるスポーツを見て楽しむ」人たちの多さが

部活問題の理由の一つだと私は思っている。

 

部活動だけ教員や、部活大好き保護者、部活大好き教委や管理職もスポーツに取り組む若者たちの姿を見ることで満足感を得ている面が少なからずあると私は思っている。

 

本人たちがやりたくてやる競技を、

周囲の人が応援して楽しむのはご本人たちの趣味嗜好だが、

それを周囲に押し付けるのは暴走である。

 

このような発想の人たちが、

本の学校行政や現場を動かすから

「部活動全員加入」

「教員全員が部顧問をすべきだ」

などと言い出すのである。

 

個人の自由意志で関わるべきところを

「これはいいものだ!」と宗教であるかのごとく信じきって

周囲に無理矢理押し付けるから歪みが生じるのだ。

 

ということでとても気になるニュースがあった。

 

www.nikkei.com

 

もうね、どこからツッコんだものか・・・

 

オリンピックは大多数の人にとって

「見て楽しむもの」である。

無理矢理に競技人口を増やそうなんて勘違いもいいところだ。

 

東京オリンピックが決定した頃から

何かと「スポーツ振興」という言葉を

聞くようになって危機感を持っていた。

 

>スポーツが「嫌い」「やや嫌い」の中学生を半減させ8%にする

 

 「好き」が増えるように努力する、のなら分かるが

 中学生のスポーツ嫌いを「半減させる」という数値目標が

 どう考えても生徒にとっても教師にとっても危険な結末しか予想できない。

 

 「個に応じた指導」ってどこに行っちゃったんでしょうね?

 多様性を尊重するような教育が重視されていませんでしたっけ?

 スポーツ嫌いの中学生が6人に一人の現状ってそんなに悪いですかね?

 6人に5人はスポーツが好きって言ってんでしょ?十分高いでしょ!

  

 そしてこんなのを真に受けて、

 教育行政がますます部活動の活性化を

 目指さないかがとても心配である。

 

 何しろ「一億総〜」と銘打っているのだ。

 猫も杓子もスポーツをせよと言っているのだ。

 「部活動全員加入」を目指す部活動大好き教員たちに

 格好の材料と受け取られないだろうか。

 

そう言えば「一億総特攻」なんて言っていた時は

「すべての日本人が国家のため戦争の犠牲になるべし」という

価値観が強要されていたはずだ。

 

異なる価値観を持つ人はすべて社会的に圧殺されていた。「一億総スポーツ社会」という言葉や動きが、部活動大好きな人たちに都合よく使われて、部活動最優先主義の価値観押し付けに使われないかとても心配だ。

 

部顧問拒否・部活動指導拒否を行う教員を

「みんなやっている」

「教師たるもの部活動指導は当たり前だ」

と学習指導要領も労基法も無視して非難する人たちと

あの当時、体制・大勢に従わない人を「非国民」と非難した人たちが

重なって見える気がするのは私だけではあるまい。

 

東京オリンピックをテコにした

様々なスポーツ振興は大いに結構である。

好きな人たちが好きなだけやれば良い。

 

しかし、

教員のサービス残業や休日返上を当てにした部活動振興策は絶対に許されない。

 

ブログやSNSで声をあげていくしかない。

同志の皆さん、声をあげ続けましょう。

 

ネット上で仲間を増やし、意見を発信していきましょう。

もはや学習の場ではなく、

部活の場と化している

本の学校の現状を訴えるのです。

 

どれだけ子供達が不利益を被っているか

訴えていけば耳を傾ける人も増えます。

 

レッドシールを机に貼るとともに

職場で部活問題に関する話題を提供していきましょう。

声をあげたくても上げられない仲間が

職場にもいるはずです。

職場でも部活問題を考える輪を広げるのです。

 

「部活はとにかく素晴らしい」

「部活のために教師になった」

このような価値観を押し付けられて教員生活を送ったせいで

部活が数々の問題をはらんでいることすら知らずに、

教師なのだから仕方ないと自分を信じこませ

部活指導の無限ループに陥っている先生たちがいます。

 

「教材研究できてます?」

と何気なく聞くだけで、

部活問題について話し合うきっかけになります。

部活のせいで出来ていない様々なことを雑談しているうちに、

洗脳されていた自分に気づくかもしれません。

 

近いうちに

「部活というマインドコントロールから

 自分、そして同僚を解き放つ」

をテーマに記事を書こうと思います。

 

今日も読んでくださってありがとうございました。

明日からまた一週間、児童生徒のために頑張りましょう。