「部活問題」を考える

「部活問題」「ブラック部活」を中心に、現役高校教師Kが学校現場の問題点を考えていくブログです。

日本全国の教育委員会は、各校にガイドライン厳守を徹底させよ。

今年の夏も、相変わらず我が校では酷暑・猛暑の中

連日部活動が行われている。

熱中症症状で倒れる生徒は続出したようだが、

幸いにも死亡などの大事には至っていない。

この時期に練習を行うのは

ほとんど生徒・児童虐待に近いと思うが

職員室でそんなことを口にしようものなら

とんでもないことになるので黙っている。

 

過重な練習を課しているが故に生徒の疲労は

蓄積され、自宅学習もままならない。

提出された宿題の質は低いし、

模試の結果も思わしくない。

 

模試の結果に成績会議は重たい雰囲気だが

「部活動に制限かけませんか」とはとても

言えない空気である。

部活動で生徒から学習する時間を奪っておいて

「学習時間が少ない」と言っている教員を見ると

呆れかえって物も言えないが、私以外の職員は皆

「部活動で学習時間がない、というのは言い訳だ」と固く信じている。

 

実はスポーツ庁が

 という立派なガイドラインを配布している。

これに基づいて、各自治体は各校に「適切な部活動運営をせよ」と

指示しており、我が校でも「休養日の設定」や「年間活動計画」などを

定めたのだが、例によって見事に骨抜き状態とされている。

 

だいたいこの手の上からの指示は

「各校の現状に応じて」とか「各種目の実態に応じて」

などの付帯条件がくっついてくるため、

「うちの部は〜だから無理」と実質無視されてしまう。

 

国はガイドラインを作って仕事した気になっているし、

各自治体教委は上からの指示を下に伝えて仕事した気になっているし、

各校管理職は上からの指示に基づいて、「指示は伝えましたよ。計画立てさせましたよ。」と

報告するだけで仕事した気になっている。

 

しかも、私の勤務校では競技力低下などを心配する各顧問に「忖度」して

「本校ではテスト前・テスト期間などに部活動停止期間を設けているので

 その期間も”休養日”として勘定して良い」という独自ルールになっている。

 

つまり、普段は休みなしでガンガン部活動しまくり、

テスト前とテスト中に部活動しない日をもって

「休養日を設定したことにしていいよ」という

メッセージである。

 

 普段学習するべき時期にガンガン部活動して学習時間を与えず、

テスト前に「時間をあげるから詰め込め」という作戦を

生徒たちは強いられている。以前と何も変わらない。

ある意味、生徒虐待であると私は思うのだがいかがだろうか。

 

 

そんな中、幾つかの自治体で

「部活動の過熱化にブレーキをかけよう」という動きが出てきたことは

評価したい。

 

<以下静岡新聞 2018 8月19日付 記事より引用>

牧之原市教育委員会は、市内3中学校の部活動基本方針を定めた。活動日は原則、平日が週3日以内、土日はどちらか1日、活動時間は平日2時間程度、土日祝日は4時間程度と設定。「夏休み明けから適用する」(橋本勝教育長)として教職員や生徒、保護者らへの周知を本格化させる。
 運動部、文化部の両方が対象。各校の管理職や保護者代表ら11人で部活動の在り方を検討する委員会を設け、2回の会合で方針を策定した。おおむね国や県のガイドラインに沿った内容。指導者と生徒が目標を共有し、主体的に活動する▽指導者は短時間で質が高く効率的な練習を目指す▽粘り強く、最後まで諦めない心を育む―などと理想像を掲げた。
 また市教委は2019年度から、これまで各校の責任で個々に委嘱してきた部活動の外部指導者を、学校支援員として各校へ市教委から派遣する形式に改める。運動部、文化部を問わないが、顧問不在の単独での指導はできない。担当者は「市教委としても独自に新たな人材を発掘していきたい」としている。

 

 例によって、各校の実態に応じて骨抜きにされそうな心配もあるが、

運動部・文化部の両方が対象だったり、周知を本格化する、という方針であるあたり

問題意識の高い教委関係者がしっかりと仕事をしたのであろう。

 

外部指導者を市教委から派遣する形式にするのも、

責任の所在をはっきりするためにとても良い取り組みだと思う。

外部指導者が「顧問不在の単独での指導はできない」がとても残念だが

部活動を学校から切り離すためには、まだまだスキップできない

プロセスなのだろう。道のりは長いが仕方ない。

 

牧之原市教委にはさらに頑張って、この施策を徹底していただき

この取り組み後に生徒の学力や学習意欲が

向上したとの先例を作って宣伝していただきたい。

 

部活動問題に関して、現場に自浄能力はほとんど無い。

各自治体教委などの指導力を今こそ発揮していただきたい。